腕神経叢損傷の後遺症|麻痺?引き抜き損傷?後遺障害慰謝料・示談金を解説!

  • 腕神経叢損傷,後遺症

腕神経叢損傷の後遺症|麻痺?引き抜き損傷?後遺障害慰謝料・示談金を解説!

ある日突然、交通事故で腕神経叢損傷(わんしんけいそうそんしょう)後遺症が残ってしまったとしたら…。

これからも長く続く治療リハビリの生活では、

  • 腕神経叢損傷から回復するために支払う治療費
  • 怪我をしたことや後遺症が残ったことによる精神的苦痛に対する慰謝料
  • 将来の平穏な暮らしを確保するための生活費

の問題を避けて通ることはできません。

さて、ここで問題です。

腕神経叢損傷の後遺症との関係で、

リハビリ中の生活費や治療費の悩みを解決するためにできることがあるって知っていましたか?

※ 知っている人はみんな利用している方法です!

生活費や治療費の悩みを解決する方法を次の中から選んでください。

選択肢①:

腕神経叢損傷との関係で、後遺症認定を獲得し、保険会社に慰謝料の増額請求をする。

選択肢②:

腕神経叢損傷によって失った将来の給与・収入を主張し、賠償金や保険金の再計算を求める。

選択肢③:

腕神経叢損傷を負う原因となった相手に対して、損害賠償を請求する裁判を起こす。

裁判、増額請求、再計算…。

正解は、この記事の後半で弁護士先生に詳しく解説してもらいましょう!

それでは、腕神経叢損傷の後遺症でお悩みの方へ。

腕神経叢損傷による負担や、相手側の保険会社との交渉によるストレスから解消される方法についてまとめてみました。

ぜひご一読ください。

なお、専門的な解説は、テレビや雑誌でお馴染みの岡野武志弁護士にお願いしています。

よろしくお願いします。

交通事故の被害に遭われ、心身ともにお辛い日々を送られているとお察しします。

また、腕神経叢損傷の後遺症が残ってしまった場合、日常生活への影響もあり、負担を感じられていることでしょう。

実際に、後遺症でお悩みの方から、これまでに相談を受けてきた経験があります。

今回はその経験も踏まえ、具体的な事例も紹介しながら、わかりやすく解説していきたいと思います。

まず、腕神経叢損傷とは、一体なんなのか…。

あまり馴染みのない病名ではないかと思います。

腕神経そう損傷:

事故や怪我、難産などで「腕神経そう」が損傷し、腕の運動の障害やしびれが出ている状態

腕のしびれなどが現れるということはなんとなくわかりましたが、具体的な症状治療法についても知りたいですよね。

まずは、腕神経叢損傷についての基礎知識から詳しく見ていきましょう。

腕神経叢損傷の後遺症|治療や回復に向けたリハビリの大切なポイント

腕神経叢損傷の後遺症|治療や回復に向けたリハビリの大切なポイント

腕神経叢損傷の症状とは…!?

まず、そもそも、「腕神経叢損傷」の読み方からわからないという方が多いのではないでしょうか。

答えは、「わんしんけいそうそんしょう」です。

腕神経叢とは、脇の下の奥にある脊髄から出た太い神経が腕に行くときの通り道のことです。

主に、腕を動かすための命令や、腕の感覚の情報を伝えるという役割を果たしています。

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腕神経叢損傷とは、その腕神経叢が損傷し、腕の運動に麻痺が生じたり、しびれが出てしまう状態ということでした。

原因としては、交通事故(特にバイクでの転倒事故)などで、首と肩が異常に引き伸ばされることで発症することが多いということです。

また、鎖骨骨折、肩関節脱臼、上腕骨骨折などが原因となって起こることもあるそうです。

他には、出産の際の難産で首や腕が強く引っ張られれて起こることもあるとのことです。

では、腕神経叢損傷ではどのような症状が現れるのでしょうか。

調べてみたところ、以下の通りということです。

●損傷した部位や程度によって症状は変わる

●症状の例

〇運動麻痺の症状

・力が入らず、腕が上がらない

・肘を曲げる力が弱い

・指に力が入らない

〇感覚麻痺の症状

・腕や指のしびれ

〇生まれた後の新生児が腕を動かさない

●重症になるとまぶたが落ちる(眼瞼下垂)など自律神経の障害(ホルネル徴候)が出ることがある

損傷した部位や程度により、重症度も大きく変わってくるようですね。

症状などから腕神経叢損傷が疑われる場合には、画像検査神経学的検査により診断が行われるそうです。

画像検査

鎖骨や肩の骨の状態を調べるレントゲンや、神経の状態を調べるMRIにより検査されます。

神経学的検査

麻痺している筋肉や感覚の部位を詳しく調べ、損傷している部位を確認する検査です。

腕神経叢損傷の治療法|後遺症が残らないこともある?

では、腕神経叢損傷に対する治療法はどのようになっているのでしょうか??

完治することは可能なのでしょうか…。

調べてみたところ、以下の通りということです。

●損傷の部位や程度によって治療方法が変わる

〇自然回復が見込める場合は安静にして自然回復を待つ

〇損傷の程度が強く自然回復が見込めなければ手術を行う

●手術治療

〇神経修復により回復が見込めれば神経移植術を行う(もとの神経を修復する)

〇修復だけでは回復の見込みがなければ、神経移行術を行う

・肋骨の神経などを取ってきてつなぎ合わせる

●神経機能の回復の見込みが低い場合、関節を固定したり、正常に動く筋肉を肩や肘などに移行する手術を行うことがある

●分娩麻痺の場合は自然回復をする場合が多いが、麻痺が残る場合は学童期に手術を行うことがある

●手術を行わなかった場合(保存療法)

〇リハビリテーション

〇関節拘縮予防

〇障害されていない筋肉(残存筋)強化訓練

〇装具の使用

〇ビタミンB12の内服

一部損傷の場合であれば、特別な治療は行わず、自然回復を待つ保存療法で対処されるということです。

ただし、交通事故では通常では考えられないほどの衝撃が加わるものです。

その場合、脊髄から神経根が根こそぎ引き抜かれてしまうこともあるようです…。(神経根引き抜き損傷

そのように大きな損傷の場合には、切断された神経を修復させるのは極めて困難ということです。

よって、日常生活の水準をなるべく維持できるよう、機能再建手術が行われるそうです。

機能再建手術とは

切断された神経そのものを治療するのではなく、残された筋肉や腱を有効活用する処置のことを機能再建手術と言います。

この手術を行えば、手や指先がより使いやすくなることが期待できるようです。

ただし、神経の損傷具合によっては、機能再建手術によっても機能回復が見込めない可能性もあるということです。

しかし、最近では、2回の筋肉移植により肩機能を再建するdouble free muscle transfer法DFMT法)という方法が出てきたそうです。

DFMT法により、肩や肘機能だけでなく、手指屈伸機能の回復も期待できるようになったとのことです。

腕神経叢損傷の後遺症に対するリハビリ

ところで、麻痺などの症状が現れる腕神経叢損傷では、腕や指先の機能を回復するために、リハビリを行うことになります。

また、手術をしない場合の保存療法の一環としてもリハビリが行われるということでした。

一般的なリハビリ方法をご紹介

一部損傷の場合

保存療法では、数ヶ月を要するものの、リハビリでの自然回復を目指すことになります。

リハビリでは、筋肉の柔軟性と機能を維持させ、筋肉の萎縮を防ぐことが目的となります。

大部分損傷の場合

腕神経叢損傷の手術を行った場合、長期間かかるものの、その後のリハビリは特に重要ということです。

先ほどご紹介したDFMT法の場合、手術後3~5ヶ月で移植筋に神経が入ってくるそうです。

その後、さらに2~3ヶ月後に指や肘が動き始めるとのこと。

その後から、筋力の強化や持久力の強化、指先の機能回復に向けた訓練などが行われます。

【注目】腕神経叢損傷に対する後遺障害等級認定基準について解説

手術や自然治癒力で回復の可能性もある反面、残念ながら麻痺などの後遺症が残ってしまう可能性もあるということでした。

ここで、後遺症の等級は1級~14級まで定められており、等級ごとに認定基準が定められているということです。

残存する症状が重ければ重いほど、数字の低い等級に該当するとも聞きました。

腕神経叢損傷の場合の等級認定の基準はどのようになっているのでしょうか?

上腕神経叢の完全麻痺の場合には、「上肢の用を廃したもの」として5級4号が認定されます。

また、完全麻痺に至らない場合には、損傷の部位・程度により、運動麻痺の部位・程度も異なることになります。

そして、症状固定時に残存する運動麻痺(可動域制限)の部位・程度により6級~12級が認定される可能性があります。

さらに、腕や指のしびれといった感覚麻痺が残った場合に、局部に神経症状が残ったものとして12級13号、または14級9号の認定の可能性があります。

麻痺してしまった部位や、程度が認定基準となっているのですね。

認定基準について、下の表にまとめてみましたのでご覧になってみてください。

腕神経叢損傷での後遺症等級認定基準
傷害の状態 後遺症等級
上腕の完全麻痺 5級4号
運動麻痺により上肢の2関節を用廃 6級6号
運動麻痺により上肢の1関節を用廃 8級6号
運動麻痺により上肢の1関節の可動域が健側の1/2以下に制限 10級10号
運動麻痺により上肢の1関節の可動域が健側の3/4以下に制限 12級6号
感覚麻痺により神経症状が残存 12級13号
14級9号

知らないと損する①腕神経叢損傷の治療に対する慰謝料や治療費は?

知らないと損する①腕神経叢損傷の治療に対する慰謝料や治療費は?

腕神経叢損傷の症状や治療法について理解を深めていただけましたでしょうか。

しかし、手術やリハビリをすることになった場合、その間の生活費や治療費、仕事を休まなければならないことに対して、不安ばかりですよね。

最初に、

リハビリ中の生活費や治療費の悩みを解決するためにできることがあるって知っていましたか?

とお聞きしました。

ここからは、その答えを、岡野弁護士に話を聞きながら、詳しく見ていきましょう。

治療費の支払いは誰がするの?

まずは、入通院中の治療費についてです。

交通事故によるケガの治療をする場合であっても、病院との関係では、治療費の支払義務は患者である被害者の方にあることになるそうです。

よって、原則的な治療費の支払い方法としては、被害者の方が病院に治療費を立替え、立替えた治療費を加害者側に請求するという形になります。

ただし、加害者側が任意保険会社に加入している場合、治療費を相手側の保険会社から治療機関に直接支払うという一括対応という手続きがあります。

この場合、被害者の方は病院の窓口で治療費を立て替える必要がなくなります

交通事故でも健康保険で通院できる!?

また、交通事故の治療に健康保険などの保険を使用するかどうかを決める必要があります。

ところで、交通事故では健康保険を使用できないと誤解されていらっしゃる方も多いようですね。

しかし、厚生労働省は、以下のように交通事故でも健康保険を使えるという通達(通知)を出しています。

犯罪や自動車事故等の被害を受けたことにより生じた傷病は、医療保険各法(健康保険法、船員保険法、国民健康保険法及び高齢者の医療の確保に関する法律)において、一般の保険事故と同様に、医療保険の給付の対象とされています

ただし、健康保険を使用する場合には、病院に対して健康保険証を呈示し、健康保険を使用する意思を伝える必要があるとのことです。

健康保険証の呈示だけではなく、使用の意思をはっきりと伝えるのがポイントということです。

ここで、健康保険を使わない自由診療と、健康保険診療との違いをまとめてみましたので、良ければ参考にしてみてください。

自由診療と健康保険診療との比較
自由診療 健康保険診療
費用 高額 低額
治療方法 制限なし 制限有り

病院によっては、健康保険の使用を拒否したり、一括対応に応じてくれないところもあります。

そういった場合に、弁護士が介入することにより、病院の対応が変わった事例もあります。

病院での対応にお困りの方は、弁護士に相談だけでもしてみた方が良いかもしれませんね!

支払いが困難な場合はどうしたら?

しかし、交通事故による怪我の治療が長引いた場合、支払いが困難になってしまうことも考えられます。

そういった場合には、どうすれば良いのでしょうか?

被害者ご本人が傷害保険に加入している場合、過失割合に関係なく契約に応じた保険金が支払われます。

また、加害者が加入している自賠責保険の仮渡金制度を利用するという方法もあります。

仮渡金制度とは、

損害賠償金の確定前に、被害者の方が相手側の自賠責保険会社に前もって治療費を請求できる

という仕組みのことです。

ただし、最終的な賠償額よりも多い金額を受け取ってしまった場合には、差額を返却する必要がある点には注意が必要です。

入通院慰謝料の相場について解説

治療費の他に、ケガの痛みや治療による苦痛に対する補償である入通院慰謝料というものも支払われます。

この入通院慰謝料は、治療にかかった期間が、慰謝料のほぼ唯一の基準となっているということです。

以下に、入通院慰謝料相場を示しましたので、ご覧になってみてください。

重傷の慰謝料算定表

重傷の慰謝料算定表

表の見方としては、たとえば入院を5ヶ月、通院を12ヶ月した場合には、280万円の入通院慰謝料が支払われることになります。

ちなみに、自賠責保険からの入通院慰謝料の計算方法は、以下のいずれか短い方に、4200円をかけるという方法になるそうです。

  • 入院日数と、実通院日数の2倍の合計
  • 総治療期間

長期間通院すれば良いワケじゃない!?通院頻度と慰謝料の関係をお教えします!

では、治療の日数により慰謝料が決まるということであれば、通院頻度を低く、長い期間通った方が高い慰謝料をもらえるのか!?という疑問があります。

しかし、通院頻度が少ない場合には、慰謝料が減額されてしまうケースもあるということなのです。

通院頻度と慰謝料の関係
  1. ① 通院が1年以上にわたり、通院頻度が1ヶ月あたり2~3回程度にも達しない場合
  2. ② 通院を継続しているものの、治療よりも検査や治癒経過観察の意味合いが強い場合

の場合には、通院期間を限度にして、実治療日数の3.5倍程度の日数を基準として慰謝料を計算する。

もう少し具体的に説明しますね。

たとえば、①のケースを考えてみます。

極端な例ですが、通院期間が半年で、実通院日数が8日しかなかったとしましょう。

通院期間が基準であるならば、半年通院=慰謝料116万円もらえるのかというと違います。

この場合、通院頻度が1ヶ月あたり2回に達していないので、8×3.5=28日(≒1ヶ月)が適用され、慰謝料は28万円ということになってしまうのです。

通院慰謝料の算定ルール
原則 例外
通院期間により算定 通院期間を限度として、実治療日数の3.5倍程度により算定

このように、慰謝料の算定には例外ルールなどもあり、被害者ご本人だけではわからないことも多くあると思います。

適正な慰謝料獲得に向けて、少しでも不明点がある場合には、ぜひ弁護士に相談してみてください。

知らないと損する②腕神経叢損傷の後遺症に対する後遺障害慰謝料・示談金・保険金は?

知らないと損する②腕神経叢損傷の後遺症に対する後遺障害慰謝料・示談金・保険金は?

治療中の費用の補償については、わかってきました。

ではここからは、最初の質問に対する回答について解説してもらおうと思います!

選択肢①:

腕神経叢損傷との関係で、後遺症認定を獲得し、保険会社に慰謝料の増額請求をする。

選択肢②:

腕神経叢損傷によって失った将来の給与・収入を主張し、賠償金や保険金の再計算を求める。

選択肢③:

腕神経叢損傷を負う原因となった相手に対して、損害賠償を請求する裁判を起こす。

費用に関する悩みを解決するための正解は、上記の選択肢のうちのどれなのでしょうか…。

正解は、上記の選択肢①~③のすべてになります。

そうなのですね!?

では、正解の内容について、詳しく解説してもらいましょう。

選択肢①後遺症の等級認定を獲得し、慰謝料を増額請求する

すでにお伝えの通り、残念ながら後遺症が残ってしまう可能性があるということでした。

腕神経叢損傷に対する後遺症の等級についてはすでにお伝えしました。

その等級に応じて、後遺障害慰謝料の金額が決まっているということでしたね。

その前に、慰謝料には3つの基準があるってご存知でしたか?

慰謝料増額に向けて知っておきたい基礎知識~3つの慰謝料相場の基準~

慰謝料には、

  • 自賠責保険に請求する場合
  • 任意保険会社が提示する場合
  • 弁護士が相手側や保険会社に請求する場合

の3つの基準が存在しているそうなのです。

自賠責基準

自賠責保険会社の慰謝料とは、自賠法に基づく省令により設定されているものです。

自賠法は、交通事故の被害者が最低限の補償を受けるためのものであり、その金額は低く設定されています。

任意保険基準

保険会社でも、任意保険会社による慰謝料基準も存在しています。

ただし、任意保険会社は営利企業のため、もちろん少ない金額で済ませたいと考えているハズですよね。

よって、自賠責の基準よりは高いものの、慰謝料の金額は少ないことが多いということです。

弁護士基準

保険会社の基準と検証して、最も高い基準となっているのが、裁判所や弁護士の基準です。

これは、裁判を行った場合や相手側と示談をする場合に用いられる基準のこと。

ただし、自分ひとりで裁判を起こし、相手側と争うのは、どう考えても難しいですよね…。

よって、高額の慰謝料を獲得するためには、弁護士に依頼をして示談や裁判を行うことが必要ということになるのです。

慰謝料金額の基準
自賠責基準 任意保険基準 弁護士基準
内容 交通事故被害者が最低限の補償を受けるためのもの 営利企業の保険会社が支払うもの 弁護士を付けて裁判や相手側との示談をする場合に用いられるもの
金額 金額は低め 自賠責基準よりは高いが、金額は低め 自賠責基準や任意保険基準よりも高い

では、それぞれの基準ごとの後遺障害慰謝料の相場について、以下の表に示しました。

腕神経叢損傷に対する後遺障害慰謝料※1
後遺症等級 自賠責基準※2 任意保険基準※3 弁護士基準
5級 599 700 1400
6級 498 600 1180
8級 324 400 830
10級 187 200 550
12級 93 100 290
14級 32 40 110

※1 単位:万円

※2 被扶養者がいる場合や要介護の場合には金額が異なるケースがある。

※3 旧任意保険支払基準による。

一目瞭然ですが、しっかりとした補償を受けるためには、弁護士基準での慰謝料を受け取るべきですよね。

ただし、被害者ご本人だけで保険会社と交渉しても、低い示談金しか提示してもらえないことがほとんどということでした。

これは、入通院慰謝料についても同じことが言えるということです。

加害者が任意保険に入っている場合には、弁護士に依頼して交渉してもらうと、弁護士基準の慰謝料を回収できることがほとんどだということです。

弁護士基準の慰謝料を獲得するためにも、ぜひ弁護士に相談いただければと思います!

自分で慰謝料を計算してみたい

ここまで読んで、自分の事故ではどれほどの慰謝料が受け取れるものなのか…。

今すぐに知りたいと思った方も多いのではないでしょうか。

このホームページでは、後遺障害慰謝料だけでなく入通院慰謝料も含めた賠償金総額がわかる計算機を設置しています。

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選択肢②失った将来の収入(休業損害・逸失利益)を主張する

治療費や慰謝料以外にも、腕神経叢損傷によって失った将来の給与・収入を主張し、賠償金や保険金の再計算を求めるという方法もあるのですね。

主には、休業損害逸失利益の主張をするということになるそうです。

治療中に失った収入「休業損害」

まずは、休業損害について見てみましょう。

休業損害

交通事故により本来得られるはずであった収入や利益を失うこと。

では、休業損害の計算方法について見ていきたいと思います。

自賠責保険での計算方法

自賠責保険に対して、休業損害を請求する場合の計算方法は、5700円×休業日数ということです。

ただし、1日の休業損害が5700円を超えることを資料などで証明できれば、19000円までは日額の増額が認められています。

上限がありますが、日額が5700円以下の方でも、休業による収入の減収さえあれば、日額5700円で計算されるので、収入の低い人にとっては有利となりますね。

任意保険での計算方法

一方、任意保険や裁判所に対して、休業損害を請求する場合の計算方法は以下の通りということです。

1日あたりの基礎収入×休業日数

1日あたりの基礎収入をどうやって割り出すかは職業別に異なります。

日額5700円未満の人は実際の日額で計算される反面、証明できれば、19000円を超える日額も認められるので、収入の高い人にとって有利となります。

この話の中で誤解されがちですが、休業損害の請求において、日額が最低5700円になるわけでは必ずしもないということは注意しましょう。

よく自賠責保険は最低限の補償をする保険と言われるため、日額が自賠責で定められた5700円以下になるのはおかしいとおっしゃる方がいます。

しかし、自賠責保険の基準が用いられるのは、治療費や慰謝料などを合わせた損害賠償の総額が120万円以内の場合のみとなります。

損害賠償の総額が120万円を超えた場合には自賠責保険の基準は用いられなくなり、任意保険基準や弁護士基準が用いられることになるそうです。

「他の項目では任意保険基準や弁護士基準を用い、休業損害の項目だけ自賠責保険の基準を用いる」というように、良い基準だけ採用することはできないので注意が必要です。

休業損害の日額
自賠責保険 任意保険
原則 5700円 1日あたりの基礎収入
上限 19000円

職業別の基礎収入など、休業損害についてはこちらの記事で詳しく説明されていますので、良ければご覧ください。

失った将来の収入「逸失利益」

次に、逸失利益とは、以下のようなものになります。

逸失利益

後遺症により労働能力が失われてしまった場合に、本来得られるはずだった収入の減額分を補償するための損害賠償。

まず、逸失利益で最初に争いになるのは、現在、現実に収入の減額が発生しているかどうからしいですね。

後遺症認定の時点ですでに減収が発生している場合には、将来的にもその減収の継続が見込まれるため、逸失利益は認められやすいです。

また、腕神経叢損傷による後遺症が原因で、

  • 会社の部署を異動させられた
  • 職業選択の幅が狭くなった
  • 積極的な対人関係や対外的な活動が不可能になった

など、労働環境や能力に支障が出ていることが認定されれば、逸失利益が認められることになります。

一方で、実際に後遺症が残っていても、労働能力に与える影響が小さく、逸失利益が十分に得られないこともあるそうです。

すると、被害者の方は逸失利益を得られず、実際に残っている後遺症に対する補償として明らかに不十分になってしまいます。

そのような場合には、後遺障害慰謝料を相場よりも増額させることで、賠償のバランスが取られることもあるそうです。

ただし、そのような証明や交渉を自分ひとりで行うのは難しいですよね。

この場合も、弁護士に相談すれば、適切なアドバイスをもらえると思います!

選択肢③損害賠償請求の裁判を起こす

ここまでで、保険会社との交渉にあたっては、弁護士に入ってもらうことで弁護士基準の賠償が受け取れるということがわかってきました。

しかし、保険会社と争いのある部分については、裁判でしっかり主張立証しなければ、増額が認められない場合があるそうなのです。

実際、示談交渉だけの場合と、裁判を起こした場合で、弁護士基準の賠償額がどれほど受け取れるのかまとめた表があります。

弁護士基準と各ケースの検証
弁護士基準の
賠償額との比較
弁護士が保険会社と交渉 9~10割※1
弁護士をつけて裁判 10割

弁護士費用※2

※1 保険会社との争いの度合いや、弁護士の方針により異なるケースもある。

※2 交通事故の損害賠償請求においては、その裁判のための弁護士費用も損害として認められる場合がある。

また、休業損害や逸失利益についても、裁判を起こさなければ、増額を認めてもらえないことも多いようです。

つまり、確実に賠償額を受け取りたい場合には、腕神経叢損傷を負う原因となった相手に対して、損害賠償を請求する裁判を起こすことも一つの方法となります。

交通事故の流れ

実際の裁判例を見てみよう

ではここで、腕神経叢損傷の損害賠償について、実際に裁判で争われた事例を見てみましょう。

腕神経叢損傷の後遺症に関する過去の裁判例
ケース①
職業:大学3年生(23歳男性)
傷害:腕神経叢損傷その他
後遺症:右上肢機能障害および右股関節の機能障害(併合4級)
《損害賠償》
入通院慰謝料:320万円
後遺障害慰謝料:1670万円
逸失利益:8453万9340円
その他:91万3000円※
ケース②
職業:郵便配達(22歳男性)
傷害:腕神経叢損傷その他
後遺症:局部に頑固な神経症状を残すもの(12級13号)
《損害賠償》
傷害慰謝料:155万円
後遺障害慰謝料:290万円
休業損害:66万9696円
逸失利益:1214万9734円
ケース③
職業:高等学校事務職員(29歳女性)
傷害:腕神経叢損傷その他
後遺症:右肩関節の可動域制限(10級10号)その他
《損害賠償》
傷害慰謝料:270万円
後遺障害慰謝料:900万円
休業損害:496万1088円
逸失利益:2658万3484円
付添看護費:64万2000円
症状固定後の施術費:73万5972円

※ 休学中の授業料、アパートの賃料など。

もちろん、これ以外に、治療費や通院交通費、治療器具の購入費などの実費も認められています。

個別の事情にもよりますが、裁判で損害賠償請求の根拠をしっかりと主張することができれば、休業損害や逸失利益も認められています。

また、付添い看護費将来の治療費なども認められているケースもありますね。

付添い看護費や将来の治療費については、こちらの記事で詳しく説明されていますので、良ければご覧になってみてください。


しかし、すでにお伝えの通り、被害者ご本人やご家族だけで裁判を起こすのは困難が多いはずです。

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以上、腕神経叢損傷の症状や治療法、リハビリ中の生活費や治療費、慰謝料について理解を深めていただけたでしょうか。

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最後に一言アドバイス

それでは、最後になりますが、腕神経叢損傷の後遺症や保険金についてお悩みの方に一言アドバイスをお願いします!

まずは、医師の診断を受け、じっくり療養し、お大事になさってください。

それでも残念なことに腕神経叢損傷の後遺症が残ってしまった場合は、弁護士に相談することをお勧めします。

なぜなら、日常生活に支障が及ぶような後遺症が残るような場合、適正な金額の補償を受けるべきだからです。

しかし、保険会社から示談金を提示され、書類にサインしてしまうと、あらためて慰謝料などを請求することは極めて困難になります。

そうなる前に、ぜひ弁護士無料相談を活用してみてください。

面倒な手続きや交渉などのお力にもなれるはずです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

最後までお読みいただけた方には、

  • 腕神経叢損傷症状治療法リハビリなどの基礎知識
  • 腕神経叢損傷による後遺症の等級や認定基準
  • 腕神経叢損傷に対する慰謝料などの示談金相場

について、理解を深めていただけたのではないかと思います。

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腕神経叢損傷の後遺症についてのQ&A

腕神経叢とは?損傷した際の症状は?

腕神経叢とは、脇の下の奥にある脊髄から出た太い神経が腕に行くときの通り道のことです。主に、腕を動かすための命令や、腕の感覚の情報を伝えるという役割を果たしています。損傷した際の症状は、損傷した部位や程度によって変わりますが、主に運動麻痺や感覚麻痺があります。 腕神経叢損傷の症状とは…!?

腕神経叢損傷の治療法は?

一部損傷の場合であれば特別な治療は行わず、自然回復を待つ保存療法で対処されます。一方、交通事故などによる大きな損傷の場合には、切断された神経を修復させるのは極めて困難になります。その場合、日常生活の水準をなるべく維持できるよう機能再建手術が行われます。 腕神経叢損傷の治療法は?

腕神経叢損傷に対する後遺障害等級認定基準は?

上腕神経叢の完全麻痺の場合には、「上肢の用を廃したもの」として5級4号が認定されます。また、完全麻痺に至らない場合には、症状固定時に残存する運動麻痺の部位・程度により6級~12級が認定される可能性があります。さらに、腕や指のしびれといった感覚麻痺が残った場合には、「局部に神経症状が残ったもの」として12級13号、または14級9号の認定の可能性があります。 腕神経叢損傷の後遺障害等級は?

腕神経叢損傷の治療費は誰が支払う?

原則、被害者の方が病院に治療費を立替え払いし、立替えた治療費を加害者側に請求する流れになります。交通事故のケガを治療する場合でも、支払い義務は治療を受けた本人にあるためです。もっとも、加害者側が任意保険会社に加入している場合は治療費を相手側の保険会社が治療機関に直接支払う、一括対応という手続きがあります。 治療費の支払いは誰がするの?

交通事故でも健康保険で通院できるの?

厚生労働省は、交通事故でも健康保険が使えると通達を出しています。健康保険を使用する場合は、病院に対して健康保険を提示するだけでなく、使用する意思を病院側にはっきり伝えることがポイントです。ただし、健康保険を使用しない自由診療と健康保険診療の違いをあらかじめ把握してから、使用の有無を判断しましょう。 交通事故でも健康保険で通院できる!?

入通院慰謝料の相場はいくら?

入通院慰謝料は、治療にかかった期間を基準に金額が計算されることになります。基本的に慰謝料算定表に従い、入院日数と通院日数を照らし合わせて計算します。しかし、通院頻度が少ない場合には、慰謝料が減額されてしまうケースも存在するので注意が必要です。 入通院慰謝料の相場について解説

後遺障害認定後、慰謝料を増額させるには?

より高額な慰謝料を得るためには、弁護士に依頼をして示談や裁判を行い、「弁護士基準」での後遺障害慰謝料獲得を目指しましょう。慰謝料には3つの金額基準があります。より高額な順から、弁護士基準、任意保険基準、自賠責基準となっており、同じ後遺障害等級でも、基準によって後遺障害慰謝料の金額は異なるのです。 後遺障害慰謝料を増額させるには?

働けなくなった場合、治療費や生活費はどうする?

腕神経叢損傷によって失った現在・将来の収入に対する補償を請求することができます。具体的には、休業損害と逸失利益を主張することになります。自賠責保険、任意保険、裁判所によって、計算方法が変わります。適切な金額が得られるように一人で交渉するには難しい面があるので、弁護士に相談するとよりスムーズに解決できるでしょう。 働けなくなった場合の補償とは?

裁判で確実に損害賠償を受け取るには?

裁判を通して、しっかりと主張立証する必要があります。示談交渉した場合と裁判を起こした場合では、弁護士基準の賠償額をどの程度受け取れるか変わってきます。また、休業損害や逸失利益についても、裁判を起こさなければ、増額を認めてもらえないことも多いようです。 損害賠償請求の裁判のポイント

この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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